「マッサージ中は気持ちよかったけど、次の日にカラダに激痛がおそってきた・・・」
日頃の疲れを癒すために、わざわざ受けに行ったマッサージ。
それなのに、逆にもみ返しで苦しむなんて・・・
今回は、そんなもみ返しでツライ思いをしている方々に、1日でも早く良くなってほしいと思い「もみ返しの正しい対処法」についてお伝えしていきます。
もみ返しは、「筋肉が傷ついている(※筋損傷ともいいます)」可能性が高いので、正しい対処をしないと、逆に悪化することがあるんです・・・
そのため、マッサージ後にカラダに痛みを感じる人は、この記事の内容を参考にしてもらえると幸いです。
それでは今から、理学療法士のわたしが、医学書の知識をベースにもみ返しの正しい対処法について解説していきます。
さらに、もみ返しの原因や予防方法なども紹介します。
「もうマッサージ後に痛い思いはしたくない・・・!」という方も、ぜひ参考にしてください。
この記事が、痛みに悩んでいる方々のお役に立てればと思います!
それではまいりましょう!
目次
1.もみ返しとは? 痛みの原因も徹底解説
まずは、もみ返しについての基礎知識をお伝えしてきます。
なぜ、強いマッサージをしたあとに痛みが出るのかを知ることで、その後の正しい対処法が分かってきますよ。
それではまいります。
1-1. なぜ、もみ返しになると痛みが出るの?
そもそも「もみ返し」という言葉は、医学的な用語ではありません。
もみ返しを専門用語であらわすなら「筋損傷(きんそんしょう)による炎症」といわれることが多いです。
ちなみに、筋損傷とは、読んで字のごとく「筋肉が損傷する(傷つく)」こと。
筋肉をグリグリと強く押しつぶすようなマッサージで、筋肉の血管や線維などが傷ついた場合、炎症が起きることがあります。
この炎症が、もみ返しの痛みを引き起こしている可能性が高いんです・・・

もう少し掘り下げて説明していきますね。
筋肉の血管が傷ついた場合、人間の生理反応として、傷ついた部分の血管が広がります。
このように血管が広がることで、傷ついた部分にはたくさんの血液が送られます。
そうすると、血液に含まれている「血小板(けっしょうばん)」も多く流れてきます。
血小板の主なはたらきは、傷ついた血管を修復すること。
たとえば、転んで血が出たときも、止血してくれるのが血小板なんですね。
しかし、血小板は「セロトニン」という、痛みを引き起こす物質(※発痛物質ともいいます)を放出します。
その発痛物質の影響で、わたしたちは傷ついた部分に痛みを感じるんですね。
さらには、炎症の過程において、ほかの物質から強力な発痛物質である「ブラジキニン」が作り出されたり、ブラジキニンの発痛効果を強くさせる「プロスタグランジン」なども作られます。
そのほかにも、「サイトカイン」「ヒスタミン」など、痛みに関わる物質がたくさん生み出されるんです。
人のカラダに関わる仕事をしている方以外は、ここまで詳しくおぼえておく必要はありませんのでご安心ください。
なので、一般の方は「もみ返しの痛みは、炎症の過程で作り出される発痛物質が原因なんだな」と、知っておくだけで大丈夫です。
ちなみに、筋損傷が治るまでの期間は、程度によって違いますが、もみ返しなどの比較的軽い損傷であれば、おおよそ3~4日で治癒するといわれています。
1-2.もみ返しがもみ返しを生む? 悪循環でガチガチな筋肉に
もみ返しによって痛みが起こると、痛みを避けようとして、カラダに無意識に力が入ってしまいます。
注射を打っているときや、虫歯の治療のときなど、知らず知らずのうちに力が入っていた経験はありませんか?
それと同じ原理です。
このように力が入っている状態が続くと、筋肉の血管を圧迫することで、血液の流れが悪くなります。
そして実は、血液の流れが悪くなると、筋肉がゆるみにくくなることもあるんです・・・!
「えっ? 一体どういうこと?」と思いますよね。
もう少しくわしく説明していきます。
そもそも血液には、カラダのいたるところに酸素を運ぶ役割があります。
もちろん、筋肉にも酸素を送ります。
筋肉は、血液から酸素を受けとることで「ATP(アデノシン三リン酸)」という物質を作ります。
「エーティーピー?? アデノシンサンリンサン??」
またまた、むずかしそうな横文字が出てきましたね(^^;)
ATPとは、人が生きていく上で必要な「エネルギーの源」のようなものだと思ってください。
NARUTOなら、チャクラみたい存在です。(笑)
この酸素で作られた「ATP」は、収縮した筋肉をゆるめる手助けをしてくれます。
逆に、ATPが足りなくなると、筋肉はゆるみにくくなるんです。
筋肉がゆるみにくい状態が続くと、力が入りっぱなしとなり、さらにコリがひどくなってくるのです・・・
ちょっとややこしくなってきたと思うので、ここまでの話しを以下にまとめますね。
- もみ返しの痛みによって、無意識に力が入ってしまう
- 力が入っている状態が続くと、筋肉の血管を圧迫することで、血液の流れが悪くなる
- 血液の流れが悪くなると、筋肉は十分な量の酸素を受けとることができない
- 酸素がないと、十分な量の「ATP」が作られない(「ATP」は筋肉をゆるめる手助けをする)
- ATPが足りないため、筋肉がゆるみにくくなる
- 筋肉に力が入りっぱなしとなり、コリがひどくなる
いかがでしょうか?
血流が悪いと、コリがひどくなっていく理由がお分かりいただけましたか?
さて、そこで「もっと強いマッサージをやることで、筋肉のコリをやわらかくしないと!」という考えの方は要注意。
さらに強いマッサージを受けることで、またもみ返しが起こる。
そして痛みを避けようとして無意識に力が入ってしまい、もっとコリがひどくなる。
さらにさらに、強いマッサージを受けにいく・・・

このような悪循環で、いつしかガチガチな筋肉ができあがってしまうんですね。
強いマッサージじゃないと物足りなくなってきている人、ほぐしてもほぐしてもすぐに筋肉がこってしまう人はご注意ください。
それではお次は、もみ返しの正しい対処法について解説していきます。
「もみ返しになったら、何をしたらいいの?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
2.間違ったケアは症状を悪化させる! もみ返しの正しい対処法3つ
それでは今から、もみ返しの正しい対処法についてお伝えしていきます。
もみ返しになった場合、対処法として以下の3つがあげられます。
- 痛い部分を冷やす(アイシング)
- 筋肉の回復をサポートする栄養素をとる
- 痛みが強い場合(または続く場合)は病院へ行く
先ほどもお伝えしたように、もみ返しは「筋損傷による炎症」の可能性が高いです。
なので、痛みのある部分を冷やすことで、まずは炎症をおさえることが大切。
そして同時に、筋肉の回復をサポートする栄養素をとることもオススメですよ。
しかし、痛みが強い場合や、痛みが長引いているときなどは、病院などで医師にみてもらうことが1番安心です。
それでは今から、さらにくわしく解説していきます。
2-1.痛い部分を冷やす(アイシング)
炎症を起こすと、傷めた部分に痛みや発熱、腫れなどが現れます。
この炎症をなるべく早くおさえるために重要なのが「冷やす」こと(※アイシングともいいます)。
炎症した部分をアイシングすることで、以下のような良い効果があります。
- 痛めた部分の熱をおさえる
- 神経の伝達を低下させることで、痛みをやわらげる
- 新陳代謝を低下させることで、損傷の進行を防ぐ
このようなメリットがあるため、炎症が始まってすぐの場合は、基本的には冷やすことをオススメします。
それでは、アイシングの方法をお伝えしていきますね。

【アイシングの方法】
① 氷と水を入れた袋を用意します
(※氷嚢(ひょうのう)があればよりよいです。また、氷がない場合は、保冷剤を代用してもかまいません)
② 痛みがある部分に、氷水が入った袋を当てます
(※氷水を肌に直接当てるのは控えてください。服の上、もしくは肌にタオルを敷き、その上から氷水を当ててください)
【時間】
20〜30分を目安にします
【アイシングの注意点】
・心臓が悪い方や感覚障害、重度な高血圧がある方は、絶対におこなわないでください
・カラダに異常を感じたら、すぐに中止してください
・氷水の当てすぎによる凍傷には、十分にご注意ください
・冷やすことで一時的に神経を麻痺させるので、慣れてくると冷たさを感じにくくなります。そのため、感覚がなくなってきたらアイシングを中断し、皮膚の温度や感覚が戻ってきてから再開してください
・冷たい刺激によって血圧が上がることがあります。高血圧や動脈硬化、血栓症がある方は、主治医に相談したうえで検討してください
2-2.筋肉の回復をサポートする栄養素をとる

損傷した筋肉を早く回復させるには、筋肉の回復をうながす効果が期待できる栄養素をとることも大切です。
筋肉の回復をサポートしてくれる栄養素と食べ物を、以下の表にまとめました。
ぜひ参考にしてください。

2-3.痛みが強い場合(または続く場合)は病院へ行く
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もし、マッサージ後に痛みが強くてどうしようもない場合や、痛みがなかなか取れない場合は、病院へ受診することをオススメします。
もみ返しは筋損傷の可能性が高いといいましたが、そのほかの原因があるのかもしれません。
「全然痛みが取れない・・・」と悩んでいる方は、普段通っている病院や整形外科、総合病院などで、医師に相談することが一番安心です。
ここまで、もみ返しの対処法についてお伝えしていきました。
とはいえ、「痛みがおさまったらまたマッサージに行きたい」という方もいると思います。
そのためお次は「もうマッサージ後に痛い思いをしたくない!」という方に向けて、もみ返しの予防方法について取り上げていきます。
3.もう痛い思いをしたくない人へ|もみ返しを予防する方法
この章では、もみ返しの予防法をお伝えしていきます。
具体的には、以下の2つのポイントを押さえることが重要です。
- マッサージをしてもらう相手をしっかりと選ぶ
- 普段から柔軟な筋肉をつくっておく
それぞれ解説していきます。
3-1.マッサージしてもらう相手をしっかりと選ぶ

あなたはマッサージを受けに行くとき、どのような基準でお店を選んでいますか?
「安い」「マッサージしてくれる時間が長い」「全身をマッサージしてくれる」など色々あると思います。
しかしまずは、「マッサージをしてもらう相手がどんな人なのか」を確認することをオススメします。
残念ながら、医学の知識を持たずにマッサージをしている人がいるのも事実。
カラダの仕組みは、わたしたちが考えている以上にとても複雑で繊細です。
しっかりと医療系の大学や専門学校で学んで、国家資格に合格した人の方が安心してカラダをあずけることができるでしょう。
とはいえ、無資格者でもとても施術がうまい方はいらっしゃいます。
「じゃあ、一体どうやっていい人を選べばいいのー!」と思うかもしれませんが、実際のところ施術してもらわなきゃ分からない、というのが本音です。
しかし、安心して施術を受けられる人と出会う確率を上げることはできます。
はじめてのお店へ足を運ぶ際は、以下のポイントをチェックしてみてください。
お店のホームページでは、ほとんどの場合において自己紹介が書いてあるので、国家資格を持っているかを確認します(あん摩マッサージ指圧師など)。
国家資格を取るためには、幅広い分野の知識を学ぶ必要があります。
カラダの構造だけでなく、リスク管理もしっかりと学ぶため「何をしたら危険か?」ということも頭に入っています。
また、施術の経験年数もチェックしてみるといいでしょう。
経験年数が多いほど施術がうまい、とは言い切れませんが、やはり経験を積んだ人の方がうまい確率が高いです。
2.お店のホームページで、どんな流れで施術をするのかを確認する
しっかりと作られたホームページの場合、さまざまな情報が載っています。
問診をていねいにしてくれるか、カラダの評価をしっかりしてくれるか、痛みをともなわないソフトな施術なのか、これらをぜひ確認してみてください。
3.医療従事者にオススメのお店を聞いてみる
お知り合いに医療従事者がいれば、その方にオススメのお店を聞いてみてもよいでしょう。
もしかしたら、信頼できる施術者を紹介してくれるかもしれませんよ。
4.お店の検索・予約サイトで口コミを確認する
「ホットペッパービューティー」や「エキテン」などの、お店の検索・予約サイトで、口コミが載っている場合があります。参考程度に確認してみるのも一つの手です。
また、行ってみたいお店のホームページがなかった場合でも、これらのサイト内でお店の情報が詳しく載っていることもあります。
ホットペッパービューティー
https://beauty.hotpepper.jp/relax/
いろいろとお伝えしてきましたが、自分の大切なカラダをあずける上で1番大切なポイントが、「マッサージをする人が、どのくらいカラダのことを理解しているか」です。
とはいえ、医学の知識がない方が「この人って専門的な知識があるのかな?」と判断することはむずかしいですよね。

なので、一般の方でも「この人は、国が定めたカリキュラム(生理学や解剖学など)をしっかりと受けてきたんだ」ということが分かるような証明書が「国家資格」なんです。
「国家資格を持っていれば絶対安心!」とは言い切れませんが、やはり幅広い分野を勉強してきたことで、さなざまなリスクを考慮して施術を進めてくれると思います。
ぜひ、これらの知識をお店選びの判断材料にしてもらればと思います。
ちなみに、「どうしても、これまで行っていたお店へ通い続けたいんです」という場合は、施術者に「この前、もみ返しになりました」とハッキリと伝えるようにしましょう。
伝えておかないと、以前と同じ強さのマッサージを受けて、再度もみ返しになる可能性があります。
また、お店を変えてはじめて施術を受けるときは「もみ返しになったことがあります」とあらかじめ伝えておくと、マッサージの強さを配慮してくれると思いますよ。
3-2.普段から柔軟な筋肉をつくっておく
筋肉が硬いと痛めやすいため、普段から柔らかくしておくことが大切です。
以下でお伝えする方法をおこなうことで、筋肉の柔軟性を高めることができます。
- 蒸しタオルで筋肉を温める
- セルフエクササイズ~筋肉の準備体操~
1.蒸しタオルで筋肉を温める

蒸しタオルなどを筋肉の硬い部分に当てると、筋肉の血行が良くなり柔軟になりやすいです。
手軽にできるのでオススメですよ。
【注意点】
・感覚障害がある、悪性腫瘍がある、心疾患がある方などは、主治医に相談したうえで検討してください
・炎症している部分や傷口には絶対に当てないでください
・熱いタオルの場合、やけどに注意をしてください
2.セルフエクササイズ~筋肉の準備体操~
筋肉はストレッチをおこなうことで柔軟になります。
また、正しく肩甲骨を動かすことで、筋肉のコリを予防することができますよ。
今回は、もみ返しの起こる部分で1番多いとされる首と肩回りの筋肉に対して、効果的なセルフエクササイズを紹介します。
僧帽筋(そうぼうきん)のストレッチ

【方法】
① 足を肩幅に開いて立ちます
② 手のひらを組んで、両肘を前方に伸ばします(肩の高さは90°)
③ 背中を丸めながら、組んだ手をさらに前方に押し出します
④ 肩甲骨が左右に開き、背中が伸びている感覚があればオッケーです
【時間】
20秒
肩甲挙筋(けんこうきょきん)のストレッチ

【方法】
① 伸ばしたい方の手を、後ろにもっていきます
② ①とは逆の手で、首を斜め前方にかたむけて、首から肩の筋肉を伸ばします
③ 同じように反対側もおこないます
【時間】
左右20秒ずつ
【注意点】
・首の疾患がある方は絶対におこなわないでください
・首は神経や血管がたくさんあり、デリケートな部分なので、十分ご注意ください
・息を吐きながら、ゆっくりと伸ばしてください
・痛みやしびれなどの症状が出たら、すぐに中止してください
・首をかたむける際は、伸ばす側の肩が上がらないようにご注意ください
肩まわりのリラックス運動

【方法】
① 両肩を耳に近づけるように上げ、3秒間止めます
② ストンと肩を落とします
【回数】
10回
【注意点】
・呼吸をしながらおこなってください
・肩がだるくなってきたらやり過ぎのサインなので、途中でも中止してください
【豆知識】 自分で筋肉をほぐすときのポイント3つ
自分で筋肉をほぐす場合、ちょっとしたもみ方のコツを知っておくと、筋肉を痛めないように予防することができます。
そこで今から、普段わたしが施術のときに気をつけているポイントの一部をお伝えしていきますね。
【ポイント①】 筋肉をつかむ手は、やさしく包み込むように

筋肉をつかむときに、指を立てて強くつまむような持ち方では、筋肉への刺激が強くなり傷めてしまう可能性があります。
手のひら全体で、筋肉をやさしく包み込むようにつかむことを心がけましょう。
そうすると、筋肉と手の接地面積が大きくなることで圧が分散され、つかんだ筋肉への刺激が少なくなります。
ちなみに、この持ち方は専門用語で「虫様筋(ちゅうようきん)握り」と呼ばれています。
【ポイント②】 筋肉をもむ力は、じわーっとやさしく
筋肉をもむときは、ギュッギュッと強く押すのではなく、じわーっとやさしくした方が筋肉への負担が少ないです。
繰り返しになりますが、カラダをほぐすときは、なるべく筋肉に強い刺激をあたえないことがポイントです。
【ポイント③】 筋線維の方向に合わせてもむ
今からお伝えする内容は、筋肉にくわしい人向けなので、一般の方は少しむずかしく感じるかもしれません。
しかし、知っておいて損ではないので、興味のある方はぜひ読みすすめてください。
もしマッサージ後に痛みが出やすい方は、筋線維の方向に合わせてほぐしてみてもよいでしょう。
以下の画像のように、筋線維には決まった方向があります(※筋肉によってそれぞれ方向は違います)。
そして、筋線維の方向に対して直角にもんでしまうと、筋線維への刺激が強くなり、筋肉を傷めてしまう可能性があるんです。
しかし、筋線維の方向に合わせてもむことで、筋肉への刺激を少なくすることができます。
たとえば、以下の図の場合だと、筋線維が横方向なので、横にスライドするように筋肉をほぐしていきます。

さらに、肩こりとなりやすい「僧帽筋」という筋肉の場合。
僧帽筋(上部線維)は、首から肩にかけて筋線維が走っています。
そのため、以下のような方向にそって、手をスライドさせるようにほぐしていきます。

さて、ここまで、もみ返しを予防する方法をお伝えしてきました。
「いろいろとやることがあって大変・・・」
このように思ったかもしれません。
しかし、最終的に自分のカラダを守れるのは自分自身。
ぜひ、お伝えしてきた内容を参考にしていただけるとうれしいです!
【コラム】 もみ返しを「好転反応」という業者がいたら危ない?
マッサージを受けたあとに「カラダに痛みが出たりだるくなったりしても、好転反応ですから大丈夫ですよ!」と言われたことがある方はいませんか?
好転反応(こうてんはんのう)とは、おもに東洋医学で使われている用語です。
施術によってカラダに溜まっていた老廃物が流れていくことで、カラダが正常な状態に近づいていき、その過程で「痛い」「だるい」などの一時的な不調が出る。
これが好転反応といわれています。
しかし実は、好転反応には科学的根拠はありません。
厚生労働省や消費者庁の見解としても、ハッキリと断言されています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/kenkou_shokuhin06.pdf
消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/141210kouhyou_1.pdf
「痛みが出るのは好転反応だから」
「多少カラダがひどくても、好転反応だから大丈夫」
このように、なんでも好転反応として片づけてしまう業者には注意が必要です。
なので、そのような業者にマッサージをしてもらったあとにカラダの異常を感じた場合は、この記事の「2.間違ったケアは症状を悪化させる! もみ返しの正しい対処法3つ」を参考にして、次の行動をとることをオススメします。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
もみ返しになった場合の正しい対処法を知ることはできましたでしょうか?
もみ返しになったら、まずは冷やして炎症をおさえてあげましょう。
それでも痛みが続くようなら、病院へ受診し、医師から適切な治療をしてもらうことをオススメします。
そして、覚えておいていただきたいのが、マッサージをしてもらうということは「自分の大切なカラダを他人にあずける」ということ。
医学の知識がない、シロウト同然のような方もいるので、一歩間違えれば取り返しのつかない大事故につながることだってあるんです・・・
少し怖い話しをしちゃいましたが、そう考えると「ここのお店安いから、とりあえず行ってみようかな〜」と軽い気持ちでお店を選ぶことはなくなると思います。
なので、ちょっとめんどくさいかもしれませんが、事前にホームページなどで「どんな人が施術をしてくれるんだろう?」「ちゃんと国家資格を持っているのかな?」など、施術者の情報をしっかりと確認することをオススメします。
この記事が、1人でも多くの、もみ返しで悩んでいる方々の手助けになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
・細田多穂+柳澤健(編):理学療法ハンドブック改定第4版 第2巻 治療アプローチ.共同医書出版社,2010,p719‐757
・寺本純:肩こり・首こりが本当によくなる本.保健同人社,2008
・野見山文宏:感じてわかる!セラピストのための解剖生理.BAB JAPAN,2018,p144‐159
・後藤勝正:骨格筋の再生(筋損傷や筋萎縮からの回復).愛知県理学療法学会誌 第28巻 第2号,2016年12月,p43‐47
・メジャー・トレーナーズメソッド 第3回 マッサージの基本(3)把握、フック.医道の日本,2013年3月号
・吉尾雅春(編),谷浩明ほか:標準理学療法学 専門分野 運動療法学 総論第2版.医学書院,2008,p42-46
・大野忠雄ほか(訳),矢田純一:トートラ人体の構造と機能 第2版,丸善株式会社,2007,p834