「全面性の原則ってなに?」と疑問に感じている方もいると思います。
そこで今回は、トレーニングの原則の1つ「全面性の原則」について解説していきます。

全面性の原則とは?
全面性の原則とは、カンタンにいうと “バランスよく全体をトレーニングしましょう” という原則です。
たとえば、上半身だけでなく下半身も鍛える。
筋力トレーニングだけでなく持久力トレーニングもする。
サッカーを例にすると、ドリブルやシュートなどの技術練習だけでなく、長距離を走り体力をつけるトレーニングもする、などです。
さらにいうと、身体面のトレーニングだけじゃなく、精神面、いわゆるメンタルを鍛えることも忘れてはいけません。
このように、パフォーマンスアップに関わるすべての要素を、バランスよく鍛えていく重要を説いたのが「全面性の原則」です。
武道の世界にある「心技体」という言葉に近いかもしれませんね。

ただ、全面性の原則は、トレーニングプログラムをデザインするときの大切な考え方ですが、注意点もあります。
というのも、「個人の能力」や「スポーツの種類」などによって、トレーニングの “比重” が変わってくることもあるからです。
まず「個人の能力」としては、たとえば “選手の特長” が挙げられます。
サッカーでいうと、周りよりもダントツに足が速いという特長を持った選手がいるとします。
その場合、試合でより足の速さを生かせるようなトレーニングの比重を増やした方がよいケースもあります(それぞれのコーチやトレーナーの考え方にもよりますが)。
たとえば、さらにスプリントのパフォーマンスをアップさせる練習や、裏のスペースに飛び出すときに必要な駆け引きの練習、急激なストップ&ゴーのためにピッチを向上させる練習、などを増やすのもいいと思います。
そして「スポーツの種類」では、たとえば陸上のスプリンターなら、基本的に短距離ダッシュの練習の比重が多くなるでしょう。
このように、「個人の能力」や「スポーツの種類」によって、トレーニングの比重が変わってくるケースがあるんですね。
なので、あくまで全面性の原則は基本とし、あとは個人の能力や状況に合わせて最適なトレーニングプログラムを組んでいただけると幸いです。
ちなみに以下の記事では、そのほかの重要なトレーニングの原則を解説しています。
今回の記事と合わせてご確認ください。
今回は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。