「ストレッチの効果的な時間ってどれくらいなの?」
「適切な時間ストレッチすることで、筋肉をしっかり伸ばしたい!」
せっかくストレッチをするなら、効果が出やすい時間を知ったうえでやりたいですよね。
そこで今から、理学療法士のわたしがストレッチの効果的な時間について紹介していきます。
先に結論をお伝えすると、「1部分:30秒×3セット」を「毎日継続」することをオススメします(※スタティックストレッチの場合)。
「意外と大変そう…」と思うかもしれませんが、伸ばす時間が足りないと、十分な効果を得ることができない可能性があるんです。
なので、スキマ時間などを活用し、ぜひコツコツとストレッチをしていただければと思います。
ぶっちゃけこれで話しは終わりです(笑)。
しかしこの記事では、「ストレッチの効果的な時間」以外にも、大切なポイントを取り上げていきますので、「ストレッチの効果を最大限にしたい!」という方は、ぜひ最後まで読み進めてください!
それではまいりましょう!
目次
1.ストレッチは目的を持ってやろう!
本題に入る前に、お伝えしておきたいことがあります。
それは、ストレッチをする前に「ストレッチをする目的を明確にする」ということです。
というのも、目的によってストレッチのやり方が変わってくるからです。
たとえば、ゆっくりと安全に筋肉を伸ばしたい場合は「スタティックストレッチ」が適しています。
しかし、スポーツ前のウォーミングアップでは「バリスティックストレッチ(※反動を使ったストレッチ)」なども、スタティックストレッチと合わせておこなうと有効です。
このように、まずはストレッチをする目的を決め、目的に合ったストレッチ方法を選択していく必要があるのです。
以下に、代表的なストレッチとその特徴を挙げました。
ぜひ、自分にどんなストレッチが合っているのかの参考にしてください。
・スタティックストレッチ
反動を使わず、ゆっくりと伸ばすストレッチ。
たとえば、立った状態でアキレス腱をジワーっと伸ばすストレッチなどです。
関節の柔軟性を出したり、肉離れなどの予防などに効果があります。
反動を使わずゆっくりと伸ばすストレッチなので、安全性が高いです。
「最近カラダが硬くなってきたから、ストレッチをはじめてみようかな」「怪我の予防のために、運動前にストレッチをしよう」という方などにオススメ。
・バリスティックストレッチ
反動を使うストレッチ。
たとえば、立った状態でアキレス腱を伸ばす場合、かかとを上下にリズミカルに動かすストレッチなどです。
ほかには、ラジオ体操などもバリスティックストレッチの仲間です。
運動のパフォーマンスを上げる効果があるため、運動前にするのがオススメ。
しかし反動を使うため、過度に筋肉が伸びる可能性があるので、怪我に注意をする必要があります。
・ダイナミックストレッチ
ゆるめたい筋肉とは反対に位置する筋肉をはたらかせることで、ゆるめたい筋肉をやわらかくするストレッチ。
ダイナミックストレッチも、運動前におこなわれることが多いストレッチです。
パフォーマンスを上げるという報告もあるため、運動をする方には特にオススメです。
しかし、バリスティックストレッチと同様に反動を使うストレッチなので、怪我には注意をする必要があります。
・PNF応用ストレッチ
シンプルにお伝えすると、スタティックストレッチと、筋肉の収縮(はたらかせる)&弛緩(ゆるめる)を組み合わせたストレッチ。
基本的に2人でおこないます。
リハビリの現場でも、関節の柔軟性を高めるときの手段として使うことがあります。
このように、ストレッチには複数の種類があります。
しかし以下では、みなさんになじみ深い「スタティックストレッチ(反動を使わずにゆっくりと伸ばすストレッチ)」にスポットライトを当てて説明していきます。
それではまいりましょう!
2.ストレッチの効果的な時間は「1部分:30秒×3セット」!
冒頭でもお伝えしましたが、スタティックストレッチ(以下:ストレッチ)は「1部分→30秒×3セット」をオススメします。
ちなみに、筋肉によってストレッチの時間が違ってくる可能性はあります。
「可能性…? どういうこと?」と思ったかもしれません。
というのも、筋肉は400種類以上あるため、それぞれの筋肉に対する適切なストレッチ時間はまだまだ解明されていません。
なので「この筋肉は〇〇秒を伸ばした方がいい!」と断言することはむずかしいのです…
しかし、さまざまな論文をみたり、経験則から「どの筋肉でも、1部分30秒×3セット」は必要だと感じています。
ちなみに、大腿四頭筋(太ももの筋肉)やハムストリングス(太もも裏の筋肉)と比べて、ふくらはぎの筋肉はより長く伸ばした方がいいとの報告があります。
なぜなら、ふくらはぎの筋肉は、人体で最も太く最強の腱である「アキレス腱」が存在しているからだといわれています。
コラム:スポーツ前にストレッチをすると筋力が低下する?
「スポーツ前にストレッチ(※スタティックストレッチ)をすると、筋力が低下してしまう」
このように聞いたことはありませんか?
たしかに、90秒以上ストレッチをすると、ジャンプ力が下がるという報告はあります。
「じゃあ、運動前にストレッチはやめた方がいいの?」と思うかもしれません。
しかし、ストレッチによる筋力低下は一時的であり、約5〜10分で元の状態に戻るといわれています。
さらには、30秒以内のストレッチならば、パフォーマンスに悪い影響を与えないとも報告されています。
このことから、運動前のストレッチはよくない、とは言い切れません。
そのため、試合開始直前は30秒以上伸ばすストレッチは避け、ウォーミングアップの段階で、怪我が心配な部分をゆっくりとストレッチすることをオススメします。
ではお次は、ストレッチの頻度について紹介していきます。
3.ストレッチは週に何回すればいいの?
ストレッチは「1部分:30秒×3セット」を、できれば「毎日」おこなうことをオススメします。
「そんな毎日はできないよ!」という方は、1日おきでも大丈夫ですよ。
とはいえ、「1部分:30秒×3セット=90秒」なので、カラダのすみずみをストレッチしようとすると、かなり時間がかかりますよね。
そのため、一気にすべての筋肉をストレッチするのではなく、1日のなかのスキマ時間でコツコツとやってみてはいかがでしょうか?
「仕事の休憩時間にちょっとストレッチしようかな」
「夜テレビをみながらストレッチしよう」
このように、ちょっとした時間をみつけて取り組むことがポイントです。
そして、ストレッチをするうえで外せないタイミングがあります。
この話しの続きは、次の章でお伝えしていきますね。
4.ストレッチは入浴後が効果的
ストレッチは、入浴後が一番筋肉が伸びやすいです。
「何を当たり前のことを…」と総ツッコミをくらうかもしれませんね(笑)
入浴後に筋肉が伸びやすい理由として「お風呂に入ると、筋肉がやわらかくなるからでしょ?」とお思いの方が多いかもしれません。
しかし、理由はそれだけじゃありません。
実は、入浴をすることで感覚がにぶくなる、ということが関係しているんです。
筋肉を限界近くまで伸ばしたときに、「いたたたた…」と痛みを感じますよね。
その痛みによって、限界以上に筋肉を伸ばせなくなると思います。
この場合、痛みという感覚は「これ以上、筋肉が伸びると怪我しちゃうよ!」という警告を出しているのですが、入浴することでこの感覚がにぶくなるんです。
つまり、入浴後は普段よりも痛みを感じにくくなるため、いつも以上に筋肉を伸ばすことができるようになるんです。
なので、やはり入浴後は、ストレッチの効果を高めるために欠かせないタイミングなんですね。
5.ストレッチの強さは「イタ気持ちいい」くらいにする
ストレッチの強さは、「イタ気持ちいい」くらいにしましょう。
強い痛みをともなったストレッチは、カラダを守るために筋肉がちぢこまる「防御性収縮(ぼうぎょせいしゅうしゅく)」が起こってしまいます。
カラダをギュッとつねられたときに、力が入っちゃうのと同じ原理です。
このように筋肉がちぢこまった状態だと、十分に筋肉を伸ばすことができません。
「痛みが強いストレッチの方が効いた気がする!」と思う人もいるかもしれませんが、「イタ気持ちいい」という強さで、ジワ〜と伸ばす方がより効果的なんです。
また、ストレッチをするときは、呼吸もしっかりとおこなうことが大切です。
呼吸はリラックス効果があるため、ストレッチ中に取り入れるとより筋肉を伸ばしやすくなりますよ。
逆に、呼吸を止めてストレッチをすると血圧が高くなることもあるので要注意。
以下の記事では、深い呼吸ができるようになる方法が書いてあるので、ぜひ参考にしてください。
6.まとめ
今回ご紹介したストレッチのオススメの時間や、そのほかのポイントを以下にまとめました。
・時間→30秒×3セット(一部分)
・頻度→できれば毎日。最低でも1日おきにおこなう
・タイミング→1日のなかで、スキマ時間にこまめに行う。入浴後は外せないタイミング
・強さ→イタ気持ちいいくらい
・呼吸をしながらストレッチする
ストレッチは、関節を動かせる範囲が広がったり、肉離れなどの怪我の予防に効果的です。
しかし、ストレッチのやり方が不十分だと、十分な効果を得ることができないことがあります。
なので、今回お伝えした内容を実践してみて、ぜひストレッチの恩恵を最大限に受けてくださいね。
この記事が、ストレッチをする人に少しでもお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。